就労環境を改善し、女性が働きやすい職場づくりを啓発するため、令和元年11月6日(水)に日出町で「女性が働きやすい就労環境改善セミナー」を開催しました。
当日は、県内の農業法人や農業団体、関係機関の担当者など、約50名と多くの方に出席いただきました。
セミナーでは、社会保険労務士である彩英社労士総合事務所の諏訪学代表並びに有限会社本川牧場の大脇建人事・広報部長よりご講演を頂きました。
【講演要旨(抜粋)】
彩英社労士総合事務所 諏訪学代表
〇現場で感じるのは、経営者は何でも自分でやろうとする。大変立派だが、生産が本業なので、専門家を積極的に活用してほしい。専門家がいるということは、その分野に労力がかかるということ。ある程度理解したら仕事を投げる。
〇「女性が働きやすい職場」とは「風通しのよい職場」であり、そういう会社はよい経営を行っている。
女性活躍のために特別な配慮を行うことと優遇することは違う。
〇優遇とは、本来の趣旨は不公平をなくし、能力に見合った評価をすることであり、正当な評価をせずに、役職に就けたりするのではない。
〇特別な配慮とは妊娠・出産中の女性への理解や各ハラスメントへの対策など
〇人材育成は根気が必要。今の人は農業が身近にないので、短期間でモノにならないし、細かい指示が必要。これを続けることが人材育成。
有限会社本川牧場 大脇建人事・広報部長
〇現場で「女性が働きやすい職場」づくりを検討したとき、「女性だから働きにくい職場」や「女性だから長期就労が難しい職場」とは何かを考えた。
トイレの設置や更衣室の整備などの労働環境設備の改善だけでなく男性主観となっている労働習慣の改善も必要。
〇また産休育休については、法令に沿った対応ではなく自社の就労環境に応じて使いやすい制度設計を模索する(ケースバイケースの対応が必要)。
〇「女性が働きにくい職場」は「男性も働きにくい職場」であり、現場の改善が進んでいないし、現場の声が届かない。
変化(改善)のある職場は女性も男性も働きやすい職場である。改善には終わりがない、持続的な取り組みが必要。
講演後は関係機関より就労環境整備に掛かる補助事業や制度資金についての説明、並びに農業法人のための従業員を対象とした満足度調査に関する説明を行いました。
セミナー終了後には、就労環境改善を検討している方との個別相談を行いました。
大分県では、「農業を始めたい」女性や「農業法人に就職したい」女性に向けた就農セミナーや「女性を雇用したい」「女性が働きやすい就労環境を整備したい」農業法人等を対象とした就労セミナーを開催しています。
就農セミナーについては、令和2年2月に大分市にて2回目を開催予定です。詳細が決定しましたら、情報をアップします。
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